
りさたろうさんのジャーニー
りさたろうさんのプロフィール
患者との関係性 本人
病気発症時のご年齢 20代
性別 女性
居住地区 東京都
病名 クッシング病
診療科 内分泌科・間脳下垂体外科
治療箇所/部位 下垂体・副腎(手術部位は下垂体ですが、副腎皮質ホルモンの病気なので副腎も関係しています。)
初期症状 健康診断で高血圧を指摘されたのが、具体的な初期症状でした。ただ、数値も経過観察のレベルであり、年齢も20代ということから、今すぐ何か治療を始めるには至りませんでした。
- 2021年
- 初期症状
- 診察のきっかけ
- 病気判明
- 2024年4月
~5月- 選択肢
- 方針決定
- 2024年4月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療後の経過
- 治療後の結果
- 2024年5月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療の感想
- 治療後の経過
- 治療後の結果
- 2024年5月~
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療後の経過
- 治療後の結果
- 2024年9月
- 感想
- 伝えたいこと
りさたろうさんの体験談
病気の診断
初期症状が現れた時期:2021年 病気判明の時期:2024年4月
初期症状
2021年に受けた健康診断で高血圧を指摘されたのが、具体的な初期症状でした。ただ、数値も経過観察のレベルであり、年齢も20代ということから、今すぐ何か治療を始めるには至りませんでした。
今思えば、若いのに高血圧であることから、他にどこか悪いのでは?と疑うべきだったと思います。
また、クッシング病はさまざま症状がありますが、症状一つひとつが致命的ではなく、見過ごしてしまうようなものが多いです。私の場合は、体のむくみ・お腹や肩に脂肪がつく・顔が丸くなる・身覚えのないアザが出来ている・毛が濃くなる・月経不順などがありました。 9
はじめは、デスクワークのせいでむくんでいるのかな?運動不足で太ったかな?と放置していました。しかし、ジムで運動しても太る一方で、疲れやすかったり、代謝が悪いと感じたり、何かおかしい……と思い始めました。
診察のきっかけ
2024年の4月に花粉症の症状で内科を受診し、そのついでに高血圧をはじめ、もろもろの症状を相談したことでクッシング病の発見に至りました。クッシング病の症状だけで病院を受診するほどではなかったことからも、気づきにくい病気だと改めて感じます。
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病気判明
受診した内科の先生が内分泌に詳しい方で、私に現れているさまざまな症状から、クッシング病の疑いをかけてくださいました。特にクッシング病に特徴的なのが、お腹が太る(中心性肥満10)、肩に肉がつく(野牛肩)11、顔が丸くなる(満月様顔貌・ムーンフェイス)12、皮膚が薄くなり血管が透けるなどです。
実際にクッシング病かどうかを調べるには、検査入院で血液検査やMRI、CTなどさまざまな検査をする必要がありました。
自分が難病13かもしれないといことでショックではありましたが、今まで感じていた体の不調は気のせいではなく、病気なんだということに少し安心しました。また、早く病気の状況や原因を突き止めて、治療したい!と思いました。
治療方針の検討
検討時期:2024年4月~5月
選択肢
まずは、クッシング病かどうか判断するために、検査入院をすることになりました。
MRI検査で根本の原因である下垂体の腫瘍が見つかり、その他の数値もクッシング病と判断する基準値を満たしていました。クッシング病は指定難病14なので、このタイミングで難病申請に必要な臨床調査個人票を先生に作成していただきました。
治療は、下垂体の腫瘍を摘出する手術が第一だとのこと。その後は、下垂体の機能が低下してしまうので、ホルモンの薬で投薬治療をしながら、下垂体の機能が回復するのを待つという流れです。
ただ、腫瘍が取りきれなかった場合は放射線で治療をする可能性もあるようです。また再発リスクがあったり、投薬治療の期間も人によってさまざまなので、一筋縄ではいかない病気です。
方針決定
クッシング病の根本の原因である下垂体の腫瘍は、小さいため(私の場合は5mm)MRIに映らないことがあったり、手術で摘出しても別の場所に原因があったりと、治療が難しい病気です。私の場合はMRIで腫瘍が確認できたので、手術で摘出するという選択肢が最善とのこと。迷わず、手術を受けることにしました。
また、1回目の手術の後にMRIを撮ったところ、摘出した場所のさらに奥にも腫瘍があったことが判明。ホルモン値も下がりきっていなかったため、再手術を勧められました。下垂体の病気の治療で有名な病院で、先生もクッシング病の患者の経験が豊富な方だったので、かなり信頼していました。私の敵(腫瘍)がMRIで確認できている以上、取るしかない!という思いのもと、再手術を受けることにしました。
(※腫瘍が確認できる以上は手術が最善の治療法ということを伝えるために再手術にも触れていますが、後述する内容と重複するため、4行目以降はカットしても大丈夫です。)
治療のプロセス・結果① 検査入院
治療の時期:2024年4月(1週間)
治療前の準備
クッシング病は、下垂体にできた腫瘍によって、ACTHやコルチゾールといった副腎皮質ホルモンが過剰分泌される病気です。この副腎皮質ホルモンは人間が生きていく上で一番重要なホルモンなのですが、過剰分泌されることでさまざまな症状が現れます。(※検査内容の理解を深めるため記載しましたが、前述と被る内容ではあるのでカットしても大丈夫です。)
まずは、クッシング病だと正式に判断するために、下垂体に腫瘍があるかMRIで検査をしたり、採血や蓄尿によって内分泌の数値をみたりします。また、下垂体以外に副腎に異常がないかCTをとったり、甲状腺のエコー、心電図検査、骨密度検査などもありました。(クッシング病は、骨粗鬆症も引き起こす病気です。)◆ 15
ホルモン値は1日の中で変動があるため、日中だけでなく、早朝や深夜にも採血を行います。
ホルモンの値は繊細で身体を大きく動かすと変動してしまうため、採血の前30分は横になっておく必要があります。これを安静採血といいます。
また、薬やホルモンを点滴で加え、その時に自分が分泌するホルモン値も判断材料となります。これを負荷試験といい、複数の負荷試験を行いました。
治療中の出来事
検査入院1日目にMRI検査があり、すぐに下垂体に腫瘍があることが分かりました。
腫瘍が見つかってほっとした、不思議な気持ちだったのを覚えています。この腫瘍がなくなれば、これまで私を苦しめてきた症状が治る!とうとう敵の姿が見えた!頑張って治すぞ!という前向きな気持ちになりました。
治療等の経過
私は、検査入院をした病院とは別の病院で下垂体の手術を受けることにしたため、紹介状を書いてもらいました。退院後に別の病院を受診し、入院日や手術日の調整をしてもらいました。
クッシング病をはじめ、下垂体の病気の実績が多い病院とのことで、とても安心して治療に挑むことができました。難病は、症例数や治療実績に関する情報が少ないです。自分の納得のいく治療法や信頼できる先生に巡り合うことが重要だと思いました。
治療のプロセス・結果② 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術
治療の時期:2024年5月
治療前の準備
脳の一部である下垂体は、目の奥に位置し、さまざまなホルモンを分泌しています。「内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術」という術式で、鼻の中から内視鏡と手術用の道具を入れて腫瘍を摘出します。
手術の前日に入院し、採血をして、鼻毛を切っておくよう指示がありました。夕食やシャワーなどは普段通りでしたが、全身麻酔の手術のため、21時以降は絶食、翌朝の6時以降は水も禁止でした。
手術当日の朝、エステや脱毛の時に履くような、紙のブラジャーとパンツに手術着を着て、病室で点滴を入れます。その後は、看護師さんとオペ室まで歩いて行きました。
看護師さんが手術部や麻酔科の人に情報を引き継ぎ、入室。点滴からかマスクからか分かり、麻酔が入れられました。
「眠くなりますよ〜」という声を聞いて、「いよいよか〜」と思っていたところから記憶がありません。目が覚めるとICUでした。
治療中の出来事
目が覚めたのが15時か16時で、そこから翌日に病室に戻るまでは地獄のような時間でした。
鼻から内視鏡を入れて腫瘍を摘出する手術なので、患部の鼻の奥はガーゼが詰められて、完全に口呼吸。
顔には酸素マスク、指に酸素を測るテープが繋がれていて、左腕に点滴、左手首に静脈への管、右の手の甲にもなんか管が刺さっていて、胴体にバイタルを測るパットが繋がれて、股には尿管が刺さっていて16、全く身動きが取れません。
変に動くと管が外れたり、何か痛いことが起こったりするのではないかという恐怖の中、かろうじて動かせる右手で、ストロー付きのコップから水を飲むのが精一杯でした。
そして、壮絶なる頭痛。脳ミソほじくって組織を切り取ったので、痛いのも当然です。点滴からと内服薬と痛み止めを入れてもらいましたが、全く楽にはなりません。
ひたすらぐったりと横たわっているのですが、時間が経つのが凄まじく遅く感じました。1時間経ったかな?と思って時計を見ると10分くらいしか進んでおらず、絶望したのを覚えています。途中から時計を見ることをやめました。
夫がお見舞いに来てくれて、メンタルが少し回復しましたが、長い長い夜が始まりました。1時間おきに看護師さんが生存と尿量を確認しにきます。他のICUの部屋から機械の音や、患者のうめき声やらがずっと聞こえているのと、完全の両鼻が封鎖されて口呼吸なのと、頭痛とで、全く眠れませんでした。
朝6時に電気がつけられ、歯磨きや体拭き、着替えなどを看護師さんが手伝ってくれました。
食欲は全くありませんでしたが、朝食(お粥)を半分以上食べたら点滴が抜けるとのことで、必死で食べました。ICUを出るまでに身体に繋がれていた管のほとんどを抜いてもらうことができました。
車椅子で一般の部屋に帰還。一般の部屋に戻ってからは、自力で歩いてトイレに行くこともできるし、スマホも触れます。人間らしい生活に戻ることができ、心も身体も少しずつ回復していきました。
しかし、頭痛は相変わらずで痛み止めもガンガンに入れても効かず、次は麻薬レベルの薬になると言われ、怖くて我慢しました。ほとんど横になってゴロゴロしていましたが、シャワーも浴びれないし、引き続き鼻は全詰まりで、苦しい日々でした。ちなみに、シャワーは手術の3日後からOKで、鼻のガーゼを抜いてもらえるのは5日後とのことで、その日を待ち侘びて耐えていました。
治療等の感想
術後2日目に造影剤を入れてのMRIを撮って、腫瘍が取れているか確認したのですが、悲劇が起こりました。
予定していた腫瘍はとれたのですが、壁を隔ててもう一つ腫瘍が隠れていたようで、血液検査の結果でもホルモン値が下がり切っていませんでした。
もちろん医療ミスなどではなく、クッシング病の腫瘍は1回で取りきれなかったり、再発しやすかったり、そもそもMRIにうつらないくらい小さかったり、と治療が難しいのです。
「早い方がいいので明日手術しましょう。」と先生が言ってくださり、「よろしくお願いします。」と即答していました。早く治したい一心で反射的に再手術を決断しましたが、冷静になると「あれだけ壮絶な術後をもう一回するのか……」とメンタルブレイク。夫がお見舞いに来てくれて、なんとか再手術に挑めました。
時を巻き戻すかのように、全く同じ3日間が繰り返されます。ただ2回目は痛みによる体力の消耗、シャワーに入れないストレス、口呼吸の苦痛が積み重なっているので、相当キツかったです。
治療等の経過
術後はMRIで腫瘍が取れていることを確認したり、負荷試験を行ってホルモンの分泌量を検査したりします。
手術による後遺症として、尿崩症や視力の欠落、髄液漏、嗅覚、味覚の麻痺などがあります。脳やホルモンに関わる治療なので、ささいな症状でも気になることは相談するように言われていました。
入院してから2週間ほどで退院することができました。
治療のプロセス・結果③ 副腎皮質ステロイド錠剤による投薬治療
治療の時期:2024年5月~
治療前の準備
下垂体の腫瘍が摘出され、ACTHやコルチゾールの過剰分泌が収まったため、クッシング病自体は完治したといえます。
これまで腫瘍によってホルモンを過剰に分泌していたため、下垂体本来のホルモンを分泌する機能が低下している状態です。人間が生きていく上で重要なホルモンが極端に少ない状態なので、副腎皮質ステロイド錠剤でホルモンを補充しながらの生活を送っています。下垂体が本来の機能を取り戻すまでには、最低でも半年、平均して1年かかるようです。
治療中の出来事
前述のとおり、副腎皮質ホルモンは繊細かつ重要な分泌液で、その日の体調や活動量によって変動が大きいです。
コートリルを飲んでいてもホルモンが足りなくて、倦怠感があったり、精神状態が不安定になったり、さまざまな症状がでます。逆にホルモンが多くなると覚醒して眠れなくなったり、再びクッシングの症状が現れたりすることもあります。
私は、退院後に久しぶりに朝から電車に乗ることがありました。朝分の副腎皮質ステロイド錠剤を飲んでいましたが、急に内臓がムカムカと気持ち悪くなり、視界に靄がかかったようになり、脂汗をかいていました。意識が飛んで倒れる寸前で副腎皮質ステロイド錠剤を追加で飲みました。数分でケロっと回復したのですが、朝から活動してエネルギーを使ったことや電車で立ちっぱなしで負荷がかかったことにより、体調不良を起こしてしまったようです。
副腎皮質ステロイド錠剤がないと生きていけない身体になっていることを再認識したと同時に、その日の体調や活動量によって副腎皮質ステロイド錠剤の量も調整する難しさを実感しました。
治療等の経過
現在は術後3週間ということもあり、コートリル30mg/日を服用して、シックデイや体調が悪くなった時に追加で副腎皮質ステロイド錠剤を服用しています。退院して1ヶ月後に間脳下垂体外科と内分泌科に外来受診予定です。
その後は、下垂体の機能の回復状況に合わせて減薬していくようです。
感想と伝えたいこと
感想
クッシング病自体は完治しましたが、下垂体の機能が回復するまで、さまざまな身体の不調と闘う日々は続きます。仕事も当面はお休みし、日々の活動でも極力無理をしない・ストレスのかからない生活を送っています。
まだ20代ということもあり、仕事に打ち込んだり、人生のライフイベントを楽しんだり、これまで目まぐるしい日々を送っていました。そのため闘病・療養生活は、少し立ち止まってこれからの人生を見つめ直すよいきっかけになりました。
私が病気になったことには意味があると思っていて、その意味を噛み締めながら日々を過ごしています。健康が当たり前ではないこと、病気で苦しんでいる人の苦しみ、家族や周りの人の支えのあたたかさ、医療の素晴らしさなど、病気になって再認識できたことが数多くあります。
病気になった経験が少しでも役に立てば嬉しいと思い、SNSやブログで情報発信をしています。また、このみんなのキュアストーリーへの掲載依頼をいただいたことや、今この体験談を読んでくださっていることも、素晴らしいご縁だと思います。
病気になってよかったとまでは言えませんが、病気によって得られたものは、間違いなく私の今後の人生を豊かにすると確信しています。
伝えたいこと
健康が失われること、病気による痛みや苦しみ、経済的負担、精神的な不安、さまざまなものと闘うことは、本当に辛いです。特にクッシング病は、致命的な症状に至るまで時間がかかることが多く、発見まで1人で不安に悩む方も少なくありません。不本意に太ってしまったり、見た目は元気な人と変わらないのに身体がとてもしんどかったり、理解されにくいこともあると思います。
辛い時は辛いと叫んでいいし、しんどい時はとことん休みましょう。長い人生、少しくらい立ち止まったって大丈夫です。
病気を乗り越えた先には、幸せな日々が待っています。経験したからこそ手に入るものもたくさんあります。
私もひとまず手術は終えましたが、これからも闘病生活は続くので、一緒に頑張りましょう。
個人のブログでもクッシング病に関する情報や闘病生活を発信しています。よければ、参考にしてみてください。
りさたろうさんの個人ブログ:アメブロ Note
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Footnotes
- 【注釈】これらの自覚症状をすべて健康診断の時に書いていれば、もう少し早く見つかったかも知れませんね。
- 【注釈】肥満は皮下脂肪型の肥満と内臓脂肪型の肥満に分類されます。中心性の肥満は内臓脂肪型の肥満です。腕や足などの末端部分よりも、体の中心である腹部、中でも内臓に多くの脂肪がついている肥満です
- 【注釈】バファローハンプと呼ばれるものです。後頚部に脂肪沈着が起きて、あたかも野牛肩の様だと表現される状態です。ステロイドの副作用やクッシング症候群と呼ばれる病気で見られます。
- 【注釈】満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。思春期の女性にはつらい経験でしたでしょう。
- 【注釈】難病とは、発病の原因が明確でないために治療方法が確立しておらず、長期の療養を必要とする病気です。
- 【注釈】指定難病とは沢山ある難病のうち、患者数が人口の0.1%程度に達しないこと、そして客観的な診断基準が確立していることと定められています。
- 【注釈】病気は間違いなくこれですよ、と言い切ることができる条件を、確定診断のための診断基準といいます。ご参考までに、クッシング病の診断基準を記載しておきます。
以下の(1)主症状①の1項目以上を満たし、②の1項目以上を満たし、(2)検査所見の全てを満たし、(3)スクリーニング検査結果の全てを満たし、(4) 確定診断検査結果の全てを満たすの。
(1) 主症候 :
①特異的症候 : 満月様顔貌、中心性肥満又は水牛様脂肪沈着、皮膚の伸展性赤紫色皮膚線条(幅1cm以上)、皮膚の菲薄化及び皮下溢血、近位筋萎縮による筋力低下、小児における肥満を伴った成長遅延
②非特異的症候 : 高血圧、月経異常、にきび、多毛、浮腫、耐糖能異常、骨粗鬆症、色素沈着、精神障害、
(2)検査所見
①血中ACTHとコルチゾール(同時測定)が高値~正常を示す。
②尿中遊離コルチゾールが高値を示す。
(3)スクリーニング検査
①一晩少量デキサメタゾン抑制試験、②血中コルチゾール日内変動
(4)確定診断検査
①CRH試験、②一晩大量デキサメタゾン抑制試験、③MRI検査による画像検査 - 【注釈】導尿用のバルーンカテーテルもあり
- 【注釈】これらの自覚症状をすべて健康診断の時に書いていれば、もう少し早く見つかったかも知れませんね。
- 【注釈】肥満は皮下脂肪型の肥満と内臓脂肪型の肥満に分類されます。中心性の肥満は内臓脂肪型の肥満です。腕や足などの末端部分よりも、体の中心である腹部、中でも内臓に多くの脂肪がついている肥満です
- 【注釈】バファローハンプと呼ばれるものです。後頚部に脂肪沈着が起きて、あたかも野牛肩の様だと表現される状態です。ステロイドの副作用やクッシング症候群と呼ばれる病気で見られます。
- 【注釈】満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。思春期の女性にはつらい経験でしたでしょう。
- 【注釈】難病とは、発病の原因が明確でないために治療方法が確立しておらず、長期の療養を必要とする病気です。
- 【注釈】指定難病とは沢山ある難病のうち、患者数が人口の0.1%程度に達しないこと、そして客観的な診断基準が確立していることと定められています。
- 【注釈】病気は間違いなくこれですよ、と言い切ることができる条件を、確定診断のための診断基準といいます。ご参考までに、クッシング病の診断基準を記載しておきます。
以下の(1)主症状①の1項目以上を満たし、②の1項目以上を満たし、(2)検査所見の全てを満たし、(3)スクリーニング検査結果の全てを満たし、(4) 確定診断検査結果の全てを満たすの。
(1) 主症候 :
①特異的症候 : 満月様顔貌、中心性肥満又は水牛様脂肪沈着、皮膚の伸展性赤紫色皮膚線条(幅1cm以上)、皮膚の菲薄化及び皮下溢血、近位筋萎縮による筋力低下、小児における肥満を伴った成長遅延
②非特異的症候 : 高血圧、月経異常、にきび、多毛、浮腫、耐糖能異常、骨粗鬆症、色素沈着、精神障害、
(2)検査所見
①血中ACTHとコルチゾール(同時測定)が高値~正常を示す。
②尿中遊離コルチゾールが高値を示す。
(3)スクリーニング検査
①一晩少量デキサメタゾン抑制試験、②血中コルチゾール日内変動
(4)確定診断検査
①CRH試験、②一晩大量デキサメタゾン抑制試験、③MRI検査による画像検査 - 【注釈】導尿用のバルーンカテーテルもあり
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