全身性エリテマトーデスの体験談【るかにあさん】

【BC027】
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るかにあさんのジャーニー

るかにあさんのプロフィール
患者との関係性 本人
年代      30代
性別      女性11
居住地区    東京都

病名      全身性エリテマトーデス12
診療科     膠原病内科
治療箇所/部位 全身(特に手足)
初期症状    37度を超える熱が朝晩出始めて、徐々に上がっていき、
        体もだるく手足にしびれが出た。

るかにあさんのジャーニー

るかにあさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2021年8月 病気判明の時期:2021年9月

初期症状

37度を超える13が朝晩出始めて、徐々に上がっていき、体もだるく手足にしびれが出た。 
コロナ下で病院に入ることができず検査をしたが陰性だった。血液検査も悪いところがなく放置していたら悪化した。 

診察のきっかけ

出社前の検温で37度を超える日が増えて14リモートで仕事をしていたが、上司に出社してほしいので病院で診てもらうように言われた。 

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検査

町の診療所で血液検査をしたが特に問題は無かった。コロナの可能性を言われて1週間待ったところ悪化したので紹介状を書いてもらった。大きな病院に行って診察を待っていた所、貧血を起こしそのまま確定診断をするまで検査入院となった。 

病気判明

検査入院となりおそらく全身性エリテマトーデスであるが、炎症部位がわからない為CT、MRI、腰椎穿刺など沢山の検査をしてようやく確定診断に至った。ほかの人より疲れやすく、ストレスで髪が抜けたり15熱が出たりした原因がわかってホッとした。手足のしびれが感覚麻痺になっていくのが恐ろしかった。入院が長引くため入院費が足りるかをずっと気にしていた。 

治療方針の検討

検討時期:2021年10月

選択肢

点滴にてステロイドを60mから投薬し、炎症を抑え減薬していく。16収まらなかった場合、血漿交換を行う。 

方針決定

ステロイド60m→血漿交換→通院治療 
夫と二人で説明を受けながら自分で決断した。 
通常ステロイドで収まるはずだったが末梢神経炎症が激しく、手足に感覚麻痺が広がった為、このまま投薬治療のみで進めるか血漿交換をするかの2案を検討し血漿交換を選択した。血漿交換17で炎症の進行は収まった。 

治療のプロセス・結果 ステロイド点滴

治療の時期:2021年10月〜2021年11月

治療前の準備

首にチューブのようなものを数週間付けっぱなしにし、そのチューブから点滴をする事になった。チューブをつける際には手術となる為、誓約書にサインをした。毎日寝る時はチューブ側を下にしないように気を付けなければならなかった。防水はしてあったがシャワーを浴びるのが怖かった為、タオルで体を拭いていた。 

治療中の出来事

眠れなくて朝焼けを見て涙が止まらなかった。入院して数日後に右足首18を骨折し、骨折した所は感覚が無く痛くなかった為発覚が遅れた。右足小指に激痛を感じながら病気のせいで痛いと思っていた(病気と骨折両方の痛みがあった)車いすで移動する事になった。顔がパンパン19になったり、体力が落ちた。 

リハビリが始まるとドラマのよくあるシーンだとテンションが上がったが、やる側になったんだと認められなかった。 

治療等の感想

骨折した為車いすで移動するしかなく、トイレの度にナースコールで看護士さんを呼ばなければならずすごく嫌だった。 
今後の生活がどうなるかわからず怖かった。 
毎日いろんな人が行き来する為休まらずメンタル的につらかった。人が来る時は大量の汗が出て嫌だった。 
病室が大部屋で複数人同じ部屋で生活する為、他の人の習慣が違う事に驚いた。周りの音が気になりつらかったが逃げられなくてさらにつらかった。 
ボロボロだった顔の赤みが消えてつるつるになった。髪はある程度抜けると新しい毛が生えてきた。 
リハビリするようになって努力できる事が出来て楽しかった。 

治療等の経過

入院し、集中的にステロイドを投入、投薬、血漿交換など行っていた。退院後は通院で投薬治療と自己注射をして経過を見ている。ステロイドの副作用で食欲が増したこともあり20kgほど太った。投薬は継続しているが、今のところ寛解状態。しかし手足のしびれ・感覚麻痺は残ったままの為、普段から杖をついて移動している。感覚麻痺は一部しびれに変わってきた部分がある。寛解状態であっても一日に飲む薬が多く、もう少し減らせないかと思う。障がい者手帳をもらい障がい者として生きることになった。 

感想と伝えたいこと

感想

実生活は会社をやめて、家にずっといる事になった。Youtubeの動画(切り抜き)を作成しその収益を少しもらっている。 
杖でついて、深い帽子をかぶって、長袖を着て外に出る。日焼け止め20も出るたびに塗らなければならず外出するのが億劫になってしまった。 
病気が悪化してから生活が一変してしまい、好きなことをずっとして来なかった事を悔いた。 
定年したら山奥でゆっくり好きなことをして生活したいと思っていたけど、今やらないとできなくなるかもしれない。 
やりたいことは後でするのではなく、やりたいことは今するという人生方針に変えた。 
イラストを描いたり、動画を作ったり、配信したり、創作活動がたくさん出来るようになったのは病気になってよかった点かもしれない。 

伝えたいこと

全身性エリテマトーデスは人によって炎症部位が違ったりして情報を集めにくく、すごく不安でいっぱいだと思います。寛解することもあるけれど、私は障害を持って生きています。障害が残って家に帰ってくるとは思いませんでしたが、それを受け入れて生活しています。まずは自分が病気であることをゆっくり受け入れるといいと思います。病気になるとめっちゃ検索して動画や文章を読み漁った経験があるのでその足しにしていただけると幸いです。 

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関連する体験談

Footnotes

  1. 【注釈】圧倒的に女性に多く、20歳代から40歳代に多いことが知られています。
  2. 【注釈】全身のさまざまな場所、臓器に、さまざまな症状を引き起こす病気です。発熱、全身倦怠感、疲れやすい、食欲不振、関節症状、赤い発疹、日光過敏症、口内炎、脱毛、そして臓器障害(腎臓、心臓、肺、消化器、血液、中枢神経系など)が一度に、あるいは経過とともに障害されます。原因は、まだわかっていませんが自己免疫疾患とされています。自己免疫疾患とは、本来、私たちの体を守る役目を持つ免疫が、なんと、私たち自身を攻撃してくるという厄介な病気なのです。このような病気のことを、自己免疫疾患といいます。
  3. 【注釈】初期症状には、発熱、全身倦怠感、疲れやすい、関節の痛みや腫れ、発疹、尿の異常、息切れなどの症状が多いようです。
  4. 【注釈】発熱は初期症状のひとつとして知られています。
  5. 【注釈】脱毛はストレスではなくこの病気によるものでしょう。
  6. 【注釈】ステロイドを最初は大量に投与し、通常は1~2週間程度で徐々に投与量を減らしていく治療法で、ステロイド漸減(ぜんげん)投与といいます。
  7. 【注釈】病因物質が血漿成分に含まれていると考えられ、それを血漿交換により除去できると考えられる様々な疾患が対象となります。適応される病気には劇症肝炎、薬物中毒、そして全身性エリテマトーデスなど20を超える病気があります。
  8. 【注釈】全身性エリテマトーデスの患者さんで起こりやすい合併症には、感染症、脳梗塞、心筋梗塞、ステロイド性骨粗鬆症、眼の病気などがあります。この方の骨折は、入院後数日ですので、ステロイド性ではないでしょう。
  9. 【注釈】ムーンフェイス、満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。入院期間がある程度たったころに生じたと思われます。
  10. 【注釈】通常では問題ないような量の日光で、光が当たった場所の皮膚に水ぶくれができたり赤く腫れ上がったりします。原因として色素性乾皮症、ポルフィリン症、日光蕁麻疹、薬によるものなどがありますが、全身性エリテマトーデスでも生じます。
  11. 【注釈】圧倒的に女性に多く、20歳代から40歳代に多いことが知られています。
  12. 【注釈】全身のさまざまな場所、臓器に、さまざまな症状を引き起こす病気です。発熱、全身倦怠感、疲れやすい、食欲不振、関節症状、赤い発疹、日光過敏症、口内炎、脱毛、そして臓器障害(腎臓、心臓、肺、消化器、血液、中枢神経系など)が一度に、あるいは経過とともに障害されます。原因は、まだわかっていませんが自己免疫疾患とされています。自己免疫疾患とは、本来、私たちの体を守る役目を持つ免疫が、なんと、私たち自身を攻撃してくるという厄介な病気なのです。このような病気のことを、自己免疫疾患といいます。
  13. 【注釈】初期症状には、発熱、全身倦怠感、疲れやすい、関節の痛みや腫れ、発疹、尿の異常、息切れなどの症状が多いようです。
  14. 【注釈】発熱は初期症状のひとつとして知られています。
  15. 【注釈】脱毛はストレスではなくこの病気によるものでしょう。
  16. 【注釈】ステロイドを最初は大量に投与し、通常は1~2週間程度で徐々に投与量を減らしていく治療法で、ステロイド漸減(ぜんげん)投与といいます。
  17. 【注釈】病因物質が血漿成分に含まれていると考えられ、それを血漿交換により除去できると考えられる様々な疾患が対象となります。適応される病気には劇症肝炎、薬物中毒、そして全身性エリテマトーデスなど20を超える病気があります。
  18. 【注釈】全身性エリテマトーデスの患者さんで起こりやすい合併症には、感染症、脳梗塞、心筋梗塞、ステロイド性骨粗鬆症、眼の病気などがあります。この方の骨折は、入院後数日ですので、ステロイド性ではないでしょう。
  19. 【注釈】ムーンフェイス、満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。入院期間がある程度たったころに生じたと思われます。
  20. 【注釈】通常では問題ないような量の日光で、光が当たった場所の皮膚に水ぶくれができたり赤く腫れ上がったりします。原因として色素性乾皮症、ポルフィリン症、日光蕁麻疹、薬によるものなどがありますが、全身性エリテマトーデスでも生じます。

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