
mさんのジャーニー
mさんのプロフィール
患者との関係性 本人
病気発症時のご年齢 出生時
性別 女性
病名 水腎症
診療科 小児科
治療箇所/部位 腎臓
初期症状 生まれつきの持病のため、自覚した初期症状はなし
- 1998年10月
- 初期症状
- 診察のきっかけ
- 病気判明
- 2011年7月
- 選択肢
- 方針決定
- 2011年8月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療の感想
- 治療後の経過
- 治療後の結果
- 2014年8月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療の感想
- 治療後の経過
- 治療後の結果
- 2024年8月
- 伝えたいこと
- 感想
mさんの体験談
病気の診断
初期症状が現れた時期:1998年10月 病気判明の時期:1998年10月
初期症状
生まれつきの持病なので、自覚症状はありません。出生後の検査で左側の腎臓に水腎症4があることが発覚しました。
診察のきっかけ
出生時に母が入院していた大学病院の泌尿器科にそのまま通うことになりました。
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病気判明
4歳くらいの頃に初めて持病のことを両親から聞かされましたが、その時はよくわかっていなかったので「そうなんだ」くらいにしか思っていませんでした。病院も遊びに行っているような感覚だったので、正直不満もなかったです。自分だけ病院に通うために保育園や学校を休まなければならないことを疑問に感じたり、腎機能が徐々に低下することに怖いと思ったりするようになったのは、小学校に入学してからでした。
治療方針の検討
検討時期:2011年7月
選択肢
左側の尿管狭窄により腎臓から膀胱への尿の移動が滞っているので、狭窄している箇所を切り取って再度つなぎ直すという治療を提示されました。
方針決定
両親が何度か大学病院に通い、担当医の方と治療期間、手術の要否などについて会話していました。
治療のプロセス・結果①
治療の時期:2011年8月
治療前の準備
手術前日に入院をしました。その日は、手術の同意書にサインをし、手術前検査や担当医の説明を受けたり等をしました。「本当に明日手術を受けるのか」となんとなく思いつつも、体が元気なのであまり実感は湧きませんでした。暇つぶし用に大量の漫画とゲームを持ち込んでいたので、昼の間はむしろ快適くらいに思っていました。おそらく両親の方が心配していたと思います。小児病棟に入院していたので、夜になると同室の子供が泣いているのが聞こえて、自分が手術を受けるという事実より、そちらの方が不安を煽られました。
治療中の出来事
手術の時間になって、両親に見送られながら手術棟に入りました。受付のようなところで名前と生年月日を言うと手術室の場所が伝えられ、看護師に案内されながら部屋に入るとドラマで見るような設備が広がっており、少し感動しました。台の上に横になり、全身麻酔の準備が始まる時には流石に緊張しました。麻酔の眠気に耐えてやろうと意気込んでいましたが、注射器から冷たい感覚が来たと思ったら寝ていました。目が覚めた時には手術が終わっていて、病棟に運ばれているところでした。
治療の感想
術後は想像以上にしんどかったです。脇腹に切った後の尋常じゃない痛みがあり、さらには人工呼吸の装置が取り外された喉の痛みで咳が止まらなくなりました。咳き込むと脇腹が痛む状況が一週間ほど続き、地獄かと思いました。さらに、硬膜外麻酔5やバルーンカテーテル6などの管がつけっぱなしになっているので、不快感もありました。
治療後の経過
術後はずっと痛みがありましたが、硬膜外麻酔もついていたおかげで数日後には少しずつ歩くようになりました。特にバルーンカテーテルが外れてからは、トイレに歩いて行かざるを得なかったので、トイレとベッドの往復がちょうどリハビリのような感じでした。さらに硬膜外麻酔が外れるとまた痛みが強くなりましたが、これは慣れで解決しました。2週間後の退院の頃には、激しい運動などはできないものの、学校に通える程度にはなりました。
治療後の結果
1回目の手術は順調に退院まで進んだものの、症状の改善の観点では芳しくありませんでした。その後3年ほど経過観察をしましたが、腎機能の低下がまだみられたので、2回目の手術を同内容で行なっています。
治療のプロセス・結果②
治療の時期:2014年8月
治療の準備
2013年〜2016年で父親の仕事で海外駐在をしており、その最中だったので、夏休みに一時帰国をして入院しました。1回目同様、手術前日に入院をし、必要な手続きや検査をしました。こちらについては、私も慣れていたので、特に不安は感じませんでした。
治療中の出来事
手術中、治療中についても、特段1回目と変わったことはなく、「こんな感じだったな」と懐かしく思う余裕までありました。
治療の感想
術後はやはり辛く、脇腹と喉の痛み、繋がれている管の不快感は変わりませんでした。
治療後の経過
2回目は、退院後に腎盂腎炎になってしまい、再入院をし、結局2ヶ月ほど入院生活をしました。2013年〜2016年の間で海外駐在をしていたので、夏休みに一時帰国して手術を受けましたが、入院の延長により出国のタイミングがずれ、学校も2ヶ月ほど休学をしました。1回目より回復に時間がかかり、倦怠感やめまいなどの症状が出やすくなりました。
治療後の結果
それ以後の経過は今も年1回のペースで観察を続けていますが、悪くはなっていないようです。腎臓なので、あまり変化は自覚できていません。ただ、お酒を飲みすぎたり、ご飯を食べすぎたりすると腎臓の調子が悪い時と同じ症状が出るので、気をつけています。
伝えたいことと感想
伝えたいこと
手術自体については、麻酔で寝ている間に終わってしまうので、あまり気に負わなくていいですが、術後の痛みがどのくらい出るかや容態の変化などは、何があるかわからない点は理解しておいた方がいいと思います。術後の喉の痛みと咳が傷口に響いて辛いので、のど飴を買い占めておいたほうがいいです。
感想
手術というと、生きている中で数回しかない一大イベントのような感じで圧倒される方もいると思いますが、受ける本人は麻酔で寝るだけなので、意外とあっけないです。術後も痛みはありますが担当医の方がついているので、安心して臨んでください。生活を見直すきっかけにもなりますし、時が経てばネタにもなるのでそこまで悪いものではないです。
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Footnotes
- 【注釈】水腎症とは、腎臓で作られた尿を排出する尿管や膀胱が、何らかの原因でつまり腎臓の中に尿がたまってしまう病気です。この状態がひどくなると、脇腹や背中に痛みが生じます。病気が片方だけの場合は自覚症状がなく健診などで偶然発見されるケースもありますが、左右両方が同時に水腎症を発症すると尿量の減量がみられることがあります。
水腎症の原因はいろいろありますが、この方のように、小児の場合は先天的な尿の通り道の異常が多く、成人の場合は腎臓や尿管の結石、前立腺肥大症、前立腺がんなどが原因になることが多いとされています。治療法としては、先天的な尿路の異常や前立腺の病気の場合は手術が必要になる場合が少なくありません。
- 【注釈】脊髄は硬膜という膜で覆われているのですが、その膜の外側には細いチューブが入る僅かな隙間があります。その隙間に直径1ミリ程度のカテーテルと呼ばれるビニールの管を設置します。その管から局所麻酔薬を注入して麻酔する手技です。刺した部位から下の麻酔ができます。手術の後の数日間はとても痛いので、この麻酔法がよくつかわれます。
- 【注釈】全身麻酔の際に必ずつける導尿用の管です
- 【注釈】水腎症とは、腎臓で作られた尿を排出する尿管や膀胱が、何らかの原因でつまり腎臓の中に尿がたまってしまう病気です。この状態がひどくなると、脇腹や背中に痛みが生じます。病気が片方だけの場合は自覚症状がなく健診などで偶然発見されるケースもありますが、左右両方が同時に水腎症を発症すると尿量の減量がみられることがあります。
水腎症の原因はいろいろありますが、この方のように、小児の場合は先天的な尿の通り道の異常が多く、成人の場合は腎臓や尿管の結石、前立腺肥大症、前立腺がんなどが原因になることが多いとされています。治療法としては、先天的な尿路の異常や前立腺の病気の場合は手術が必要になる場合が少なくありません。
- 【注釈】脊髄は硬膜という膜で覆われているのですが、その膜の外側には細いチューブが入る僅かな隙間があります。その隙間に直径1ミリ程度のカテーテルと呼ばれるビニールの管を設置します。その管から局所麻酔薬を注入して麻酔する手技です。刺した部位から下の麻酔ができます。手術の後の数日間はとても痛いので、この麻酔法がよくつかわれます。
- 【注釈】全身麻酔の際に必ずつける導尿用の管です
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