全身性強皮症・間質性肺炎の体験談【カイさん】

【BC012】
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カイさんのジャーニー

カイさんのプロフィール
患者との関係性   本人
病気発症時のご年齢 20代
性別        男性

病名        全身性強皮症・間質性肺炎
診療科       皮膚科
治療箇所/部位   全身の皮膚、肺、食道

カイさんのジャーニー

カイさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2016年3月、病気判明の時期:2019年11月 

初期症状

身体が冷えてくると指先が紫色1になるようになったことです。色が変わるだけで痛みは無く、感覚も十分にあった為、日常生活に特に支障はありませんでした。

診察のきっかけ

家族に何気なく話したところ、幼少期からお世話になっているクリニックに診てもらうことを勧められたことがきっかけです。しかし、そのタイミングでは触診の上、特に問題なしと診断されました。

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  1. 【注釈】血液が行き届いていない状態です ↩︎
  2. 【注釈】《全身性強皮症とは、皮膚や内臓が硬くなる病気》です。皮膚が硬くなるという状態はなんとなくわかりますね。作家は常にペンを持って仕事をしていますから、ペンが触れるところが硬くなります。ペンダコといいます。剣道の有段者は長い期間にわたって竹刀を握りしめますので、手のひらが硬くなります。竹刀ダコと呼ばれる状態です。ともに、皮膚が硬くなっています。
    では、内臓が硬くなるとはどのような状態でしょうか。
    この病気で硬くなるのは、肺、心臓、腎臓、消化管です。これらの内臓はとても柔らかです。それが硬くなります。少しわかりやすく例を出しますと、レバーの刺身を食べたことがある人は、レバーは生の状態ではぷよぷよして軟らかいことを知っています。そのレバーを焼くと硬くなりますね。極端な言い方ですが、内臓も病気で硬くなるのだと理解してください。 ↩︎
  3. 【注釈】インフォームド・コンセントでは、できる限り患者に不安を与えないようにと努力します。ですが、一般論ですが、人は自分のことはややもすれば楽観的にとらえたいものなのです。その時には、臨機応変に、ご本人の為にも、少しきつめに表現します。 ↩︎
  4. 【注釈】私たちの体に細菌やウイルスなどの外敵が侵入してくるのを防いでくれるシステムを免疫といいます。その免疫が下がると、私たちは感染しやすくなります。そのような、本来は私たちの味方である免疫が、なんと、私たち自身を攻撃してくるという厄介な病気があります。このような病気のことを、自己免疫疾患といい、強皮症もこの範疇に入ります。自己免疫疾患の存在を示す検査の一つが、抗核抗体検査です。 ↩︎
  5. 【注釈】まだ市販されていない医薬品ですが、人体に与える安全性は一応確認されたものです。あなたが受けたのは、効果があるか否かを判断するためのテストです。治験薬と耳にすると、直ぐに人体実験という人もいるのですが、その新薬で治る可能性もあるのです。 ↩︎
  6. 【注釈】患者数が5万人未満の稀有な疾病に対する医薬品 ↩︎
  7. 【注釈】強皮症の最もよく知られている症状は、手足の指さきの潰瘍です。 ↩︎
  8. 【注釈】治験では新しい薬の治療効果を見るのが目的です。ですから、治験している薬の効果と似た用を持つ薬や、似た副作用が出る可能性がある薬を同時に使用しては、治験そのもののデータが不正確なものになります。そこで、別の薬を使う場合には、治験が中止されます。離れるとは、中止することです。 ↩︎
  9. 【注釈】ここで初めて肺炎の病名が出てきましたが、強皮症と判明した2019年の時点では、肺のレントゲン検査では明らかな所見はなかったと推測されます。
    4年後の出来事として、咳が出るのでレントゲン検査をしたら、肺に影があったのでしょう。間質性肺炎はその6割が原因不明です。それにも関わらず、この病気になると、余命は最も短い場合には数年しか生きられない怖い病気なのです。 ↩︎
  10. 【注釈】インターロイキン6と呼ばれる物質で炎症があると上昇します。 ↩︎

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