GIST(消化管間質腫瘍)の体験談【あーみんさん】

  • 当サイトは、個人の貴重な経験を発信・共有することを目的としています。最新の医学情報・治療方法などの情報を提供するものではありません。病状や経過、治療への向き合い方などはそれぞれ異なりますので、必ずご自身の主治医と相談してください。
  • 体験談は医師によるチェックを行っており、明らかな間違いや誤解を招くような表現はないようにしていますが、なるべく発信者の生の声をお届けするために訂正は最小限にとどめています。

あーみんさんのジャーニー

あーみんさんのプロフィール
患者との関係性   本人
病気発症時のご年齢 30代
性別        女性
居住地区      神奈川県

病名        GIST(消化管間質腫瘍)1
診療科       婦人科→消化器外科→婦人科→乳腺外科→消化管内科
治療箇所/部位   バルトリン腺、外陰部、直腸

あーみんさんのジャーニー

あーみんさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2009年5月  病気判明の時期:2012年6月

初期症状

自転車に乗っているときにサドルに何か当たるなと思ったのが最初です。肛門と膣の間に5mmほどの小さいしこりが確認できました。

診察のきっかけ

そのうち自然治癒するだろうと安易に考えていましたが、3年のうちに大きくなっていき、椅子に座る際の違和感、排便時の違和感が年が経つごとに大きくなりました。

検査

場所が外陰部だったので、当初、女性医師のいるクリニックで診てもらいたくインターネットで探しました。1つ目と2つ目のクリニックでは「バルトリン腺炎」2という診断で、内容物を排出するための穿刺をしたのですが治らず逆にしこりが大きくなっていきました。2つ目のクリニックで大きい病院への紹介状をお願いしたのですが「そこまで大変な病気ではないので紹介先は指定できない」と言われ、宛名なしの紹介状を書いてもらいました。その後、仕事を理由にしばらく放置してしまっていました。3つ目のクリニックはバルトリン腺開窓術3が可能な病院を調べて受診し「バルトリン腺嚢胞」という診断を受けましたが、通常の症状と違うということで大学病院の婦人科に紹介状をいただき手術後確定診断4となりました。

病気判明

GISTという病名を初めて聞きましたし、がんだけど癌ではない、肉腫です。というお話を理解するのに時間がかかりました。低リスクだったため、初発は抗がん剤治療もなく、職場に近い病院に転院し消化器外科で5経過観察を行うことになりました。ただ同じような症状をネットで調べてもヒットしないため、病院探しも闇の中を探るようでしかも自分頼みというのが不安で仕方ありませんでした。

治療方針の検討

検討時期:2014年8月~2015年1月

選択肢

2014年8月に局所再発(直径約5cm)し、手術で摘出することになり、2015年1月に再発手術を行いました。

方針決定

再発腫瘍の成長スピードが速く、椅子に座る際の違和感、排便時に肛門が切れて出血するなどしていたため、手術での摘出と聞いてすぐお願いしますと申し出ました。

治療のプロセス・結果

治療の時期:2015年2月~2015年5月

分子標的治療薬のイマチニブを服用するかどうかについて、セカンドオピニオン・サードオピニオンを受けることを希望している間に、遠隔転移と腹膜播種などがあるとわかり、サードオピニオン先で治療を始めることにしました。6

治療前の準備

再発手術後に医師から「すぐにでもイマチニブ治療を始めたほうがいい」と言われたのですが、治療をはじめることによる体調や日常が変化する不安、通常と違う場所にできてGISTの薬が効くのだろうかという疑問から、セカンドオピニオンとサードオピニオンを希望しました。インターネットで調べGIST治療件数の多い病院を希望し、診療情報提供書を書いていただきました。

治療中の出来事

GIST7は希少がんだからなのか、クリニックでは分からず、再発後の治療方針も医師によって見解が違っていたことは印象深かったです。

治療等の感想

治療方針を巡ってセカンドオピニオンやサードオピニオンをいただき、納得のいく治療を選択できたことはよかったですが、とても時間がかかり、治療が遅れ、病状が進み、再再発(遠隔転移と腹膜播種)8となってしまったことは大変残念でした。

治療等の経過

ありがたいことに、イマチニブの服用治療は効果があり、副作用に対処しながら治療と仕事の両立もできています。ただ、下痢や倦怠感を強く感じることもあり、外出から帰宅後はしばらく休まないと次の動きがつらいことが多いです。骨髄抑制により感染症にかかりやすくなっているので、手洗いマスク、休息を心がけています。9

感想と伝えたいこと

感想

セカンドオピニオンを求められる場合は10、治療開始までのスピードも十分に加味して行う必要があると感じます。医師との信頼関係をどのように形成していくか、私にとっては課題ですが、自分の症状をしっかりと伝える。聞きたいことを箇条書きにして持参する。疑問に思うことは臆せず聞く。意思の疎通がうまくいかない場合でも、コミュニケーションをあきらめない。医師との信頼関係は治療に大きく関わると感じます。

伝えたいこと

希少がんの場合は、情報を得にくく、同じような経験の患者さんと交流することも通院している病院によってはままならないこともあるかもしれません。患者会を探し、必要であればアクセスし、自分から治療情報や仲間の経験を求めていくことも安心して治療を継続する方法のひとつだと思います。


関連する体験談

  1. 【注釈】GIST(消化管間質腫瘍)は消化管の壁にできる腫瘍で、胃や小腸に多くみられます。今回のように外陰部など消化管以外の部位に生じることは極めてまれです。 ↩︎
  2. 【注釈】バルトリン腺は腟の入口の左右にある分泌腺で、炎症(バルトリン腺炎)や嚢胞は比較的よくみられる良性の疾患です。同じ部位にGISTが生じることは極めてまれで、当初これらの良性疾患と診断されることがあります。 ↩︎
  3. 【注釈】バルトリン腺開窓術(造袋術)は、嚢胞に切開を加えて袋状に縫い開き、たまった分泌物を持続的に排出できるようにする手術です。嚢胞に対して行われる一般的な処置のひとつです。 ↩︎
  4. 【注釈】GISTかどうかは、手術などで採取した組織を詳しく調べて最終的に診断されるのが一般的です。 ↩︎
  5. 【注釈】GISTは、胃や腸の粘膜(表面)から生じる一般的な「がん(癌)」とは種類が異なる腫瘍で、悪性の場合は「肉腫」の仲間に分類されます。また、手術できれいに取りきれた再発リスクの低いGISTでは、薬を使わずに経過観察とするのが一般的です。ただし「低リスク」は再発の可能性が低いという意味で、再発しないということではないため、切除後も定期的な画像検査などで経過をみていきます。 ↩︎
  6. 【注釈】転移・再発したGISTには、分子標的薬(がん細胞の増殖に関わる分子を狙い撃ちする薬)による治療が標準的に用いられます。 ↩︎
  7. 【注釈】GISTは年間人口10万人あたり1〜2人程度に発生するとされる希少な腫瘍で、専門的に扱う医療機関が限られることから、確定診断や治療方針の決定に時間を要することがあります。 ↩︎
  8. 【注釈】遠隔転移は腫瘍がもとの部位から離れた臓器(GISTでは肝臓などが多いとされます)に広がること、腹膜播種は腹腔内の腹膜の表面に腫瘍が散らばるように広がることをいいます。 ↩︎
  9. 【注釈】この種の分子標的薬では、白血球が減って感染症にかかりやすくなること(骨髄抑制)があり、手洗いなどの感染予防がすすめられます。 ↩︎
  10. 【注釈】セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利で、特に希少がんでは複数の専門的な意見を得ることが納得のいく治療選択につながります。治療をどれくらい急ぐ必要があるかは状況によって異なりますので、受診の時期については主治医と相談しながら進めるとよいでしょう。 ↩︎

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