
いんげんさんのジャーニー
いんげんさんのプロフィール
患者との関係性 本人
病気発症時のご年齢 10代1
性別 女性
居住地区 東京都
病名 全身性エリテマトーデス2
診療科 リウマチ科
- 2009年
- 初期症状
- 診察のきっかけ
- 病気判明
- 2009年
- 選択肢
- 方針決定
- 2009年7月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療の感想
- 治療後の経過
- 2025年2月
- 感想
- 伝えたいこと
いんげんさんの体験談
病気の診断
初期症状が現れた時期:2009年 病気判明の時期:2009年
初期症状
病院に行く前に症状はありませんでした。
診察のきっかけ
発症の約2年前、高校入学時の血液検査で鉄欠乏貧血の指摘を受け、かかりつけ内科にて投薬を続けたものの、1年以上経っても良くならず、総合病院を紹介されました。
検査
総合病院での初診の際には症状がない状態でしたので、治療も始まっておらず、あくまで可能性として、こんな病気かもしれないね、という程度の話でした。
病気判明
二度目の通院でほぼSLEで確定3であるという説明があり、その時も症状はなかったのでなんだかよく理解できませんでした。特に母親は只事ではないと動揺していましたが、思春期・反抗期であったことも相まって、私としては必要以上に感情を出さないでほしい(心配しすぎないでほしい)と思いました。とはいえ、自分自身でも気になり、インターネットで調べたのですが今ほどネット上に正しい情報がなく、分からないことだらけでした。
治療方針の検討
検討時期:2009年〜
選択肢
これから通院する可能性が高いということで家族と相談して、通いやすい大学病院に病院を変えました。大学病院に最初に行ったときも、症状はまだほとんど無く、ステロイド治療を始めるかどうか主治医から希望を聞かれました。◆4
方針決定
医師からは、体調が悪くなってから治療を始めてもいいし、今から薬を飲み始めてもいいけれど、どうしますか?という聞き方で、当時はその質問の意味さえあまりよく分からなかったのですが、麻疹風疹のワクチンをこれから打つというタイミングだったこともあり、治療開始は見送ることになりました。
治療のプロセス・結果:服薬治療
治療の時期:2009年7月
治療前の準備
当時、既に診断も出ていたものの、症状があまりなく、いつから投薬を始めるかは決まらないまま、次の外来予約を待っているという状況でした。関節痛5などの症状で、日常生活に少し影響が出始めたころ、ある日突然高熱6と全身倦怠感の症状が出て、その日に入院することになりました。
治療中の出来事
突然の発熱をきっかけに入院することになり、そのまま2週間ほど検査も兼ねての入院となりました。当日は、日中に既に高熱があったのに体調不良を感じてから数時間、周囲に知らせることが出来ず、夜になって帰宅した親から、なぜもっと早く言わないのかと叱られながら、高熱で朦朧とするなか、救急外来へ行ったのですが、当時は高校生だったので、今にして思えばそういう判断力がなかったのだろうと思います。
治療等の感想
入院中、症状が落ち着いたあとも検査のために長めに入院していたので、病室でのんびりする毎日でした。院内の患者さんから「若いのにどこが悪いの?」と聞かれたり、看護師さんから「患者さんはどちらですか?」と聞かれたり、よほど病人らしくなかったのだと思います。
友人がお見舞いに来てくれて、病気について話すと、興味をもってくれる子や、案外知っている子もいて、その後もずっと覚えていてくれたりと、入院しなければなかったコミュニケーションは少なからずありました。
治療等の経過
入院時の症状は最初の二日ほどで落ち着き、検査の結果も引き続き通院で投薬を続けましょうとのことで、無事退院しました。
その後、ステロイドの副作用でムーンフェイスになりましたが、その後は順調に薬の量を減らし、落ち着きました。日に当たらないように7したり、体力面も無理しないようにしたり、気は使っていましたが、なにしろ学生だったため、無理をして高熱と急性胃腸炎8で2~3日入院する、ということが1~2年おきにありました。
さらにここ数年も何度か発熱はありましたが、緊急で受診するほどのものではありませんでした。
感想と伝えたいこと
感想
当時は、小さなことに落ち込むことが多く、ムーンフェイス9になることについて、家族から「元々丸顔でよかったわね」と言われ傷ついたりしました。同じように、日傘をささなければならないことについても、医師や家族は必ず日傘差してね!と言うものの、元々の持ち物や服装がボーイッシュだったため、何も知らない友人から「日傘似合わないなぁ~」と言われるのが苦痛でした。一方で、気を使ってくれる人やよき理解者もいてくれたので、そういった人たちの存在は有難かったです。
あるとき、無事に症状が落ち着いて、主治医から、落ち着いているうちにやりたいことやっておくといいよ、と言われ、なるほどと思いました。15年以上経った今では、私の特徴の一つとして、受け入れてみたり、他に代替案はないかと対策をとってみたり、どうせなら勉強して理解を深めてみたり、ひとつの研究課題なのだと思ってやっていくことにしています。
伝えたいこと
私が発症したころはネットの情報に偏りがあり、自分自身も調べる力が不足していたのですが、今は難病についての理解が徐々に広がっていると思います。まずは正しい情報を手に入れることが大事だと思います。そして、そのうえで理解してくれる大切な仲間が、必ずいますので是非見つけてください。
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- 【注釈】初発年齢としては若いですね。全ての年齢で発症しますが、とくに20~30歳代の発症が多くなっており、妊娠可能な年齢の女性に発症しやすい病気と考えられています。また、発症する人の男女比は1:9であり、圧倒的に女性が多い病気です。 ↩︎
- 【注釈】全身の様々な場所、臓器に、多彩な症状を引き起こす病気です。難病に指定されている自己免疫疾患で膠原病でもあります。 ↩︎
- 【注釈】SLEでは必発と見なされる抗核抗体と呼ばれる物質が増加します。また、血球の成分である赤血球、白血球(とくにリンパ球)、血小板の数が減少する傾向があります。主治医はこのような検査結果から判断したのでしょう。 ↩︎
- 【注釈】一般的な言い方ではありますが、初期症状として頻度の高いものには、発熱、関節の痛みや腫れ、皮疹、倦怠感、尿の異常、息切れなどがあります。 ↩︎
- 【注釈】関節の痛みは、よくみられる初期症状のひとつです。 ↩︎
- 【注釈】熱発はもっともよく知られている初発症状です ↩︎
- 【注釈】日光過敏症に注意しなければなりません。通常では問題ないような量の日光で、光が当たった場所の皮膚に水ぶくれができたり赤く腫れ上がったりします。原因として色素性乾皮症、ポルフィリン症、日光蕁麻疹、薬によるものなどがありますが、全身性エリテマトーデスでも生じます。 ↩︎
- 【注釈】胃腸症状はSLE患者の15-60%に認められます。腹痛が最も多く、ほかに、吐き気、嘔吐、下痢がみられます。 ↩︎
- 【注釈】満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。思春期の女性にはつらい経験でしたでしょう。 ↩︎
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