好酸球性多発性血管炎性肉芽腫症(EGPA)の体験談【ochaleaderさん】

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  • 体験談は医師によるチェックを行っており、明らかな間違いや誤解を招くような表現はないようにしていますが、なるべく発信者の生の声をお届けするために訂正は最小限にとどめています。

ochaleaderさんのジャーニー

ochaleaderのプロフィール
患者との関係性   本人
病気発症時のご年齢 50代
性別        男性
居住地区      東京都

病名        好酸球性多発性血管炎性肉芽腫症(EGPA)1
診療科       リウマチ・膠原病科
治療箇所/部位   なし

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ochaleaderさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2024年12月  病気判明の時期:2024年12月

初期症状

両足の膝から下に発疹。蕁麻疹に近いように記憶してます。少なくとも紫斑ではありません。赤くなって、熱を帯びた感じです。ただ、かゆみは殆どなかったと思います。しばらくして、膝から下の発疹は消えて、お腹周りや背中などに同様の発疹が出てきました。かなりの痛みも伴い、会社から帰宅するバスの中で気を失った。その後、何度か激痛があり、何かにしがみ付いてないと歩行不可能に。しばらくして右手にも激痛が走り、機能マヒ状態に陥った。

診察のきっかけ

最初は整形外科診療所に行ったが、レントゲンで異常が確認できず。その後、循環器系・消化器系の診療所にも行ったが埒が明かず、右手の機能がマヒするに及んで、もう少し大きな病院で診てもらうことにした。

検査

病院での血液検査で好酸球の異常2が認められ、総合医療機関への紹介状を書いてもらったが、翌日、右手に再度の激痛が発生したので、救急車で総合医療機関に運んでもらい、そのまま緊急入院。CT・尿検査・血液検査、レントゲンなどなどの検査3の結果、EGPAの疑いありということで、見切り発車ではあったが、すぐに治療に入った4。治療が遅れれば、動けなくなるリスクも大きくなるため、というのがその理由。

病気判明

適切な治療をすれば命に直接かかわる病気ではない5ということで一安心。しかし、治療には時間がかかるので、密かに進めていた転職活動が中断されてしまい、不安材料が1つ。また、いつまで治療にかかるのかが不明ということで、不安材料が2つ。そして、どこまで回復するのか、回復したときに社会復帰できるのか分からず、不安材料が3つ。更に、どのくらいの費用が発生するのか、自分の貯金で賄えるのか6が分からず、不安材料が4つ。

治療方針の検討

検討時期:2024年12月

選択肢

選択肢はない。点滴用ステロイドの点滴投与3日間。その後はステロイド投薬と、2週間ごとの経口用ステロイド療法を併用する。この一択。 

方針決定

検討の余地はなかった。治療方針は説明してくれたが、それ以外に治療方法がないのであれば受け入れるしかない。当然、リスクも込みで決定した。

治療のプロセス・結果 ステロイドパルス療法

治療の時期:2024年12月〜2025年2月

治療前の準備

2週間おきに点滴。いわゆる抗がん剤なので、癌治療に伴う一般的に知られた副作用7(髪の毛が抜ける、倦怠感に襲われるetc.)が説明される。検査等は特になし。尚、点滴の量を決定するために体重測定だけ行った。

治療中の出来事

懸念された副作用はまったくなかった。が、点滴後は積極的に排尿して薬を外に出すことが必要で、尿量管理される。また、そのために夜は何度も起きることになり睡眠不足になる。更に、これは私固有の現象なのかもしれないが、猛烈な便秘8に悩まされた。点滴中は動けないので、とにかく暇。動画を観るくらいしか時間を潰せない。

治療等の感想

とにかく便秘は辛かった。最終的にはレシカルボンを何度も使って事なきを得たが、主治医からは「シクロホスファミドで便秘になることは考えにくい」と言われており、この便秘については謎のままである。最初、6回の点滴と言われたが実際は4回で終了して、便秘から解放されたのがよかったこと。但し、6回が4回になったのは転院が決まったためだが、4回で充分だったのかも謎のまま。

治療等の経過

痛みや痺れ、強張りなどは、この病気の特徴で、一般的には生涯お付き合いしないといけない。ステロイドの量は段階的に減っているが、足の浮腫みが酷い。但し、副作用としては、それだけで助かっている。最近は、ステロイド0を目指し、新たにアレルギー疾患治療薬9が加わったが、4週間に1回、3本の皮下注射をしなければならない。この注射がとても痛い。そのうえ、薬局で手に入りにくいので、探すのが大変。

感想と伝えたいこと

感想

私の場合、両足と右手が動かなくなり、リハビリで歩けるところまでは回復したが、飛んだり跳ねたり走ったりすることはおろか、歩くスピードも一般人より遅い。また、右手の機能不全はなかなか改善されず、日常生活でできないことは圧倒的に増えた。とにかく、病気に対しては先手必勝なので、何か異常があったら迷わず病院で採血検査をしてほしいと思う。血液から分かることは驚くほど多い。

伝えたいこと

病気になったら受け入れるしかない。それを前提に、ポジティブな思考で生活することを心掛けるのがベスト。他の人たちも同じように生きているので、そういう人たちのブログを読んだりして勇気をもらうのもいいかも。



関連する体験談

  1. 【注釈】気管支喘息やアレルギー性鼻炎をもつ患者さんで、白血球の一種である好酸球が異常に増加して細い血管に炎症を起こし、血液の流れが悪くなって臓器の障害を生じる病気です。全身性の自己免疫疾患です。病気の原因は不明で、遺伝性はいわれていません。 ↩︎
  2. 【注釈】血液中の好酸球と呼ばれる成分が増えます。 ↩︎
  3. 【注釈】炎症反応が上昇(CRP高値、白血球数増加、赤沈亢進)、血清IgE値の上昇もみられます。白血球の一種である好中球に対する抗体(抗好中球細胞質抗体:MPO-ANCA)が約50%の患者にみられ、病因の1つと考えられていますが、その抗体が作られる原因は未だ不明です。 ↩︎
  4. 【注釈】早期に血管に起こった炎症を抑えることで9割以上の症状は改善します。 ↩︎
  5. 【注釈】10%未満の患者さんでは脳硬塞や心筋梗塞、腸穿孔、重症腎炎を生じ、手足の麻痺や腎臓や心臓の機能低下を残すことがあります。死亡に至るのは1%程度です。 ↩︎
  6. 【注釈】「特定医療費(難病法による医療費助成)制度」や「高額療養費制度」により医療費の助成を受けられる場合があります。たとえば、年収が 370万円から770万円で、総医療費が100万円の場合、自己負担はおよそ10万円でしょうか。勤務している企業によっては、所得に関係なく、上限額が2万円のところもあります。 ↩︎
  7. 【注釈】副作用は、吐き気や嘔吐、発疹、脱毛等です。なお、重大な副作用としては、白血球が異常に減少すると感染症にかかりやすくなり、血小板が異常に減少すると出血しやすくなります。 ↩︎
  8. 【注釈】便秘は0.1~5%未満で現れています。 ↩︎
  9. 【注釈】従来の一般的な治療で効果が不十分な患者さんにはアレルギー疾患治療薬と呼ばれる薬も使われます。 ↩︎

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