IgG4関連疾患の体験談【きいろさん】

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  • 体験談は医師によるチェックを行っており、明らかな間違いや誤解を招くような表現はないようにしていますが、なるべく発信者の生の声をお届けするために訂正は最小限にとどめています。

きいろさんのジャーニー

きいろさんのプロフィール
患者との関係性   本人
病気発症時のご年齢 40代
性別        女性1
居住地区      静岡県

病名        IgG4関連疾患2
診療科       総合内科
治療箇所/部位   全身

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きいろさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2018年12月  病気判明の時期:2019年10月

初期症状

風邪をひいたのをきっかけに 顎の左下にグリグリ3するものが出来たが風邪でリンパ腺が腫れたのかと思っていた。

同じころ 瞼の腫れ?たるみ4が気になり 老化現象かと思いアイクリームを塗って一生懸命マッサージしてました

顎下のグリグリは日に日に大きくなり診察してもらったときは 卵大くらいになってました

診察のきっかけ

同僚からまた夜 泣いたの?目開いてないよと毎日のように言われ 瞼もグリグリするものが出来ていた。 顎下のグリグリも大きくなりつつもあり 反対側の顎下右側の奥にも出来ているよう。痛みはまったくないが 嘔吐が毎日続いていた(食欲はあったので 食べては吐く状態)5

検査

個人病院へ行ったら すぐに総合病院で受診しなさいと言われ その場で先生が予約を入れてくれて

翌日 総合病院の耳鼻咽喉科を受診 血液検査・首のエコー・頭部のCTの検査6をしました

その後の診察で「IgG4関連疾患 ミクリッツ病7」で間違いはないと思います

グリグリの部分の生検を早急にしましょうと言われた

病気判明

あーー また私 やっかいな病気になってしまったんだと思った。

ボー然として 病名をしっかり覚えられなかった

膠原病の一種だと言うことだけ覚えてたくらい

IgG4関連疾患だと耳鼻科ではなく総合内科になるので明日 受診するように言われ

翌日 総合内科の担当医からIgG4関連疾患の病気の説明を受けたが

「難病」と言うワードが衝撃過ぎて不安しかなかった

「完治はない」 一生付き合う病気と聞いてさらに不安になった

治療方針の検討

検討時期:2019年10月~現在

選択肢

IgG4関連疾患の治療法や治療薬が確立されてないので ステロイドによる薬物療法8が第一選択肢ということでステロイドを最初は多めに飲みながら だんだん減薬していくと説明されました

ステロイドの効果が薄くても免疫抑制剤9の併用が出来るから心配はない

方針決定

選択肢がないので その日からステロイド15mgを飲み始めました

治療のプロセス・結果:ステロイド服用+免疫抑制剤服用

治療の時期:2019年10月~現在

治療前の準備

特になし

治療中の出来事

最初はステロイド15mg*7日間の服用でしたが 全く変化はなく 30mg*14日間を服用するようになって数日で目の腫れが落ち着きグリグリが消えた 顎下のグリグリは少し残ってる感じ(すごく小さくはなった)

治療等の感想

最初は目の腫れも落ち着き安堵しましたが ステロイドの副作用はしっかりでました。

体重増加・抜け毛・ムーンフェイス・むくみ10など

とにかく見た目がすごく変わってしまったことで

周囲から言われるのがとても辛かった

でも言わせておけばいい!!私は絶対に元気になるんだ!!

元気になってライブに行けるようになるんだ!と奮起しました(笑)

治療等の経過

ステロイド・免疫抑制剤の副作用をことごとく受けるので もはや主治医とともに笑ってます

拾うよねーって(笑)

ステロイドによる深部静脈血栓症・緑内障・骨粗鬆症を発症してしまい今現在もこちらも治療中です11

急性膵炎にもなり入退院を繰り返しましたが こちらは今も治療中ではありますが症状は落ち着いてます

IgG4関連疾患は全身の炎症なので いつ何が起こるかわからない毎日です(私の場合ですが)

感想と伝えたいこと

感想

難病だからなのか?私の個性なのか?

私に合う治療薬となかなか出会えず この数年は1年間に2~3回は40°前後の原因不明の高熱で入院したり

激しい嘔吐が続き入院したりと心配な事が多いです

でも いつか私にピッタリなお薬との出会いがあるはずと

副作用に恐れず あきらめずにチャレンジしております

副作用は日々の生活もままならない時もありますが 身体も戦っているんだから 気持ちの面では負けずに明るく

笑って過ごす!と言い聞かせてます

とにかく「あきらめない」「チャレンジする」「一喜一憂しない」「笑う」をモットーにしています

主治医とも沢山お話をします しっかりちゃんと自分の気持ちや考えなどを伝えてます

こんな薬はどう?こんな治療はどう?

とかも遠慮なく言ってます

諦めたらそこで終わってしまうので・・・

伝えたいこと

あなたはひとりじゃないよ!

心配で不安で一人で暗い深い暗闇にいるかもしれません

道に迷っているかもしれませんが

でも ひとりじゃないよ

大丈夫よ

一緒に笑って進みましょ

今だけだから

いつか・・もう少ししたら絶対に変わるはずだから



関連する体験談

  1. 【注釈】IgG4 関連疾患は50-60歳に多く、男女比は2~3:1です。そして、この方の病気であるミクリッツ病に関しては、発症年齢は40代から60代が多く、男女比は1:3と女性に多く、難病に指定されています。 ↩︎
  2. 【注釈】新しい概念でまだよく知られていません。全身の様々な臓器が腫れ、結節(グリグリ)ができる原因不明の病気です。腫れる臓器としては膵臓、胆管、涙腺・唾液腺、中枢神経系、甲状腺、肺、肝臓、消化管、腎臓、前立腺、後腹膜、動脈、リンパ節、皮膚、乳腺などが知られています、と聞くと、どこは大丈夫なのですかと質問したくなるくらいに全身が侵される可能性があります。膠原病に分類されます。 
    この方の病気であるミクリッツ病(涙腺唾液腺炎)とか自己免疫性膵炎とかが典型的と言われています。 ↩︎
  3. 【注釈】顎左下の結節(グリグリ)は顎下腺と呼ばれる唾液腺です。 ↩︎
  4. 【注釈】涙腺の結節でしょう。 ↩︎
  5. 【注釈】どこが病巣になるかで全く症状は異なるものですが、次のような症状がよく見られるとされています。閉塞性黄疸、上腹部不快感、食欲不振、涙腺腫脹、唾液腺腫脹、水腎症、喘息様症状(咳そう、喘鳴など)、糖尿病に伴う口乾などです。 ↩︎
  6. 【注釈】血液検査ではIgG4と呼ばれる抗体の値が高く出ます(135mg/dL以上)。 ↩︎
  7. 【注釈】ミクリッツ病とは、涙腺や唾液腺が腫れる病気で、主に口腔内の乾燥を伴います。50歳から60歳の方に多く見られ、特に女性に多いとされています。自然に治ることもありますが、悪性リンパ腫に移行するリスクがあるため、注意が必要です。 ↩︎
  8. 【注釈】第一選択はステロイドで効果が期待できます。高用量で開始し、少しずつ減らして様子を見ながら維持量をきめます。維持療法は1~3年とされていますが、残念ながらしばしば再発します。 ↩︎
  9. 【注釈】免疫とは、私たちの体をウイルスなどの外敵から守る防衛軍です。しかし、その防衛軍が突然私たち自身を襲ってくることがあるのです。そのような異常事態に陥った状態が、関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスなどの「自己免疫疾患」と呼ばれる病気です。襲われっぱなしでは、体が壊れてしまいますから、免疫を押さえる必要があります。免疫を抑制する薬剤が必要になります。
    免疫抑制剤の種類には、ステロイド薬、カルシニューリン阻害薬、プロスタグランジン合成阻害薬と呼ばれるものがあります。 ↩︎
  10. 【注釈】満月様顔貌と翻訳される医学用語ですが、顔が満月のように丸くなってしまう状態です。最もよく知られている原因はステロイドの副作用です。おつらい経験でしたでしょう。 ↩︎
  11. 【注釈】一言でいうと、ステロイドは何にでも効くぐらいの万能薬です。ですが、その副作用は実にたくさんあります。例えば、感染症、離脱症候群、精神障害、糖尿病、ムーンフェイス・野牛肩、消化性潰瘍、骨粗鬆症、緑内障・白内障、高血圧などなどです。この方のようにステロイドが投与された患者では深部静脈血栓症のリスクが3 倍に上昇するとの報告もあります。 ↩︎

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