
つむつむさんのジャーニー
つむつむさんのプロフィール
患者との関係性 本人
病気発症時のご年齢 30代
性別 女性1
居住地区 神奈川県
病名 下垂体炎(下垂体腫瘍)2
診療科 脳神経外科、内分泌内科
治療箇所/部位 脳(下垂体)
- 2022年2月
- 初期症状
- 診察のきっかけ
- 病気判明
- 2024年1月~
3月- 選択肢
- 方針決定
- 2024年3月
- 治療前の準備
- 治療中の出来事
- 治療の感想
- 治療後の経過
- 2024年6月
- 感想
- 伝えたいこと
つむつむさんの体験談
病気の診断
初期症状が現れた時期:2022年2月 病気判明の時期:2024年1月
初期症状
2022年2月頃より、月経が停止し、異常なほどの口渇感が現れ3、頻繁に大量の飲水を必要とするようになりました。当初は産後の授乳による影響と考え、大きな問題とは認識しておりませんでした。
診察のきっかけ
授乳終了後も月経の再開が見られなかったため、婦人科を受診いたしました。血液検査の結果、ホルモン異常の兆候が見られたため、脳神経外科への紹介を受け、さらに詳しい検査を進めることとなりました。
検査
産後の無月経については授乳によるものと考えられていたため、2023年夏までは経過観察となりました。しかし、その後も月経が再開しなかったため、再度婦人科を受診し、追加の血液検査を実施。検査結果により、下垂体機能低下の疑いが強まり、脳神経外科にてMRI検査およびCT検査(造影剤使用)を受けました。さらに、ホルモン負荷試験も行い、最終的に2024年1月に下垂体腫瘍による下垂体炎4と診断されました。
病気判明
脳腫瘍の存在をまったく想定していなかったため、診断を受けた際には非常に驚きました。しかし、医師から治療方針を明確に説明いただき、また家族にも支えられ、冷静に事態を受け止めることができました。今後の治療に向けて気持ちを切り替え、前向きに取り組む決意を固めました。
治療方針の検討
検討時期:2024年1月~2024年3月
選択肢
担当医より、腫瘍摘出のための経鼻内視鏡手術が唯一の根治的治療であるとの説明を受けました。薬物療法では根本的な治癒は望めないため、速やかに手術に進むべきとの提案5を受けました。
方針決定
治療の選択肢が手術のみであることを理解し、すぐに受諾いたしました。夫とも相談を重ね、育児や仕事への影響を最小限に抑えるため、可能な限り早い時期として2024年3月に手術を受けることを決定いたしました。
治療のプロセス・結果
治療の時期:2024年3月
治療前の準備
術前に詳細な脳MRIおよび造影CT検査を実施し、下垂体と周辺構造の把握を行いました。併せて、副腎皮質ホルモンの補充を開始し、術中リスクを最小限にするための血液検査や麻酔前評価も受けました。ホルモン負荷試験では内分泌機能低下の程度を確認し、術後管理に向けた準備を進めました。
治療中の出来事
手術は鼻腔からアプローチする低侵襲手術で行われ、開頭を伴わずに腫瘍摘出を実施しました。術後間もなく歩行が可能となりましたが、鼻出血と鼻閉感が強く、呼吸困難や睡眠障害が発生し、術後の生活に支障をきたしました。6
治療等の感想
事前に予想していた以上に術後の鼻出血と呼吸の苦しさが辛く感じられましたが、同じ手術を受けた方々の体験談を事前に読んでいたことで、冷静に受け止めることができました。比較的軽症で済んだことに対して、安心感と感謝の気持ちを抱いております。
治療等の経過
退院後は約1か月間、自宅にて体力回復に努めました。体調は徐々に改善し、現在では日常生活に支障なく過ごしております。ホルモン補充療法を継続しながら経過観察を続けていますが、再発兆候はなく、順調に回復しております。
感想と伝えたいこと
感想
今回の闘病を通じて、何よりも家族の存在の大きさを痛感いたしました。夫は休職し、子どもたちの世話を一手に引き受けてくれましたし、母も面会に訪れ、さまざまな支援をしてくれました。また、患者体験ブログや難病制度について知る機会を得たことで、社会には多くのサポートが存在することを改めて実感いたしました。
伝えたいこと
同じ病気を抱える方々には、不安を抱え込みすぎず、早期受診と適切な情報収集を勧めたいと思います。先行事例に学び、家族や医療従事者と密に連携しながら、一歩ずつ前向きに歩んでいただければと願っております。
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- 【注釈】女性に多く起きることから、妊娠、分娩などにも関連しているのではないかと考えられています。年齢的には、更年期前後での発症が多いという特徴が見られます。 ↩︎
- 【注釈】下垂体腫瘍による下垂体炎と診断されていますので、病名は下垂体腫瘍がより実態を表していると思います。 ↩︎
- 【注釈】異常に口が渇く場合には、だ液腺の炎症や自己免疫疾患のシュエーグレン症候群、腎臓病、糖尿病、薬の副作用、ストレスや緊張性尿崩症などが考えられます。そして、ごくまれに、下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンの合成・分泌障害で生じる、尿崩症という病気があります。
単に口が渇いて水を飲むよりも度が過ぎて水を飲む場合を多飲といいます。ではどの位の水分摂取が多飲になるのでしょうか。私たちは食事から摂取する水分を除いて、一日1.5ℓくらいの水分摂取が必要で、2ℓまでは正常の範囲です。ですが、それが3ℓとか4ℓになると水分の摂りすぎで、腎臓に負担がかかり、水中毒という状態になる恐れもあるのです。 ↩︎ - 【注釈】下垂体炎の原因には下垂体腫瘍や髄膜炎、結核、出産などがあります。 ↩︎
- 【注釈】下垂体腫瘍の治療法は、手術療法、薬物療法、放射線治療がありますが、手術療法が第一選択です。 ↩︎
- 【注釈】通常、手術の直後から会話が可能ですし、翌日から食事もできます。約2~3週間で退院できます。特に症状がなければ、リハビリテーションは必要ありません。 ↩︎
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