IgA腎症の体験談【Sさん】

【BC010】
  • 当サイトは、個人の貴重な経験を発信・共有することを目的としています。最新の医学情報・治療方法などの情報を提供するものではありません。病状や経過、治療への向き合い方などはそれぞれ異なりますので、必ずご自身の主治医と相談してください。
  • 体験談は医師によるチェックを行っており、明らかな間違いや誤解を招くような表現はないようにしていますが、なるべく発信者の生の声をお届けするために訂正は最小限にとどめています。

Sさんのジャーニー

Sさんのプロフィール
患者との関係性   親
病気発症時のご年齢 10代
性別        男性
居住地区      滋賀県

病名        IgA腎症
診療科       小児科
治療箇所/部位   腎臓
初期症状      学校の検尿で淡白の数値が高かった 

Sさんのジャーニー

Sさんの体験談

病気の診断

初期症状が現れた時期:2020年 病気判明の時期:2022年

初期症状

学校の検尿で淡白の数値が高かった 

診察のきっかけ

いつもお世話になっていた小児科から大病院を紹介された。 

溶連菌にかかったあと、検尿の値、淡白の数値が高いのが続き、急性だと思うが続くので念のため様子をみたほうがいいと判断くださったことが幸いし、いつも同じ医師に0歳からかかっていたことと、本当に親身で腕も高い60代の経験値も高い医師だった。 

検査

最初の溶連菌から淡白がでたときは急性の腎臓病だと思うから安心するようにと話して頂いたが数年後、血尿がでてしまいしばらくA病院に通うと慢性の可能性があると指摘をうけた。 

腎臓の検査、腎生検1を大学病院で入院し受け結果を話された 

病気判明

医師はまだ中学生の本人に向けてはっきり2と病気のこと、このままほっておくと腎不全になり何年しか生きられないとはっきりと話した。 
私にも事前告知はなかったので頭は真っ白になった 
本人は落ち込みを通り越していたが治療したらいいんやろ出きることするしかないやろと母である私に話した。 

治療方針の検討

検討時期:2022年12月〜2023年2月

選択肢

扁桃腺摘出後ステロイドパルス療法の提示があった。 
小児腎臓は医師が少ない。 
パルス療法はかなりの副作用もあるため、この治療が今成長時期の身体に対して負担が大きいのではないか、今がベストなタイミングなのか心底悩んだ。 
そこで県内の難病支援相談に連絡してみるもここでは治療方針などのアドバイスはできないし、病院で相談するようにと言われた。3私としてはこの病気に対してどのようなアクションがあって過去に同じ病と闘った方がどの治療を選択され結果そのかたは今どうされているか情報が得たかった。支援センターなら相談というより情報ももらえるのかと思ったが違った。4重い病ほど安易に身近な人には話せないし、聞けない。 
ネットをとにかく検索し、情報がどこからでているのか取捨選択しながらどうしていくのがベストなのか悩んだ。 
というのは治療事態がかなり副作用もしかり身体に負荷がかかるからだ。治療を今のタイミングでやりますか?どうされますか?と特に難病の場合は決定はもちろん患者側。 5
だからこそ、情報と病気に対する知識は不可欠。 
そこで、家族の会などはないのかと病院に聞くも民間なので自分で調べることだけを私の場合は言われた。 
家族のサポートもいるし、病を正しく学ぶ場所は必要。 
とにかくいろんな情報を調べてまとめた。運良く愛知県の有名な先生とアポがとれて、病院に相談にも出向いた 
主治医との方針が異なることもあったが特に愛知県の先生は親身に話をきいてくださったことが一番有り難かった。 
治療をするタイミングや、治療方法、不安は医師に全て聞いていいと、方針の確認はしていいと。本当に素晴らしい医師だった。 
通院距離を考え、主治医の元で治療することにした。決心できたのは愛知県の医師のお陰。
決心までは三回はこの場合はどうなるか、どうするか、どうされるかなどを確認した。 
受け身でなく病気に対する知識はかなり必要 

方針決定

愛知県の有名な先生とアポがとれて、相談にも出向いた
本、ネット、知り合いの医師にきくの繰り返し。同じ病の方のグループサイトに入会。たまたま、管理者がしっかりされているサイトに入れて安堵している。いまも、ここから知ることも増えた。どこからの情報かが大事。 
受け身でなく病気に対する知識はかなり必要 

治療のプロセス・結果 腎臓生検

治療の時期:2023年1月〜2023年8月

治療前の準備

まず、腎臓の検査自体も危険で、身体にも負荷はかかるため検査をするかどうかから確認される。 
腎生検を大学病院で行い、腎臓に直接背中から太い針をさし腎臓の進行を確認する。腎臓の医師しか出来ない 
生検の結果が悪く、次の段階の治療をすることを薦められた。 

治療中の出来事

とにかく毎日、いや、時間ごとに体調や、熱の変化もあるため、目が離せない。 
がんでいう抗がん剤の少し軽いぐらいの点滴治療 
だるさや、急な熱、熱が上がりすぎるのは危険なので 
投薬の調整も必要 
こどもはどこまでが我慢でどこまでが危険かの判断は難しいため家族が様子をみて看護師さんに伝える必要も感じた 

治療は三週間 
5日投与、2日様子を見る、を三回繰り返す 
コロナ禍でとくに免疫抑制させる治療なので感染にも人一倍気を付けないと治療もできないし、もちろん身体にもかなり危険なので家族も体調管理や人混みは避けるなど本当に気を付けた 
歩けないぐらいの体力消耗が見ていて辛かった 

治療等の感想

ステロイドパルス療法の前に 
耳鼻科で扁桃腺をとる手術がある 
このとき、入院は一週間ほどだが、 
食事管理が大変。 
かさぶたができるまで、固形物は食べれない 
退院後、三食、八分粥、ほうれん草や野菜すべてをミキサーやすり下ろしでつくり、栄養もとれるように作るのが大変だった。 
魚も白身魚をホロホロにして作ったり手間はかかった。受験生のため、学校にいく!と意志が強く、給食に迎えにいき、とろとろの食事を食べさせてまた学校に送るのは大変だった。 

治療等の経過

腎臓は一度悪くなったところは回復しない、経過観察は大事。3か月ごとの検尿で淡白の数値の様子でまたくすりの投与を行うかみていく。透析をさけるまでの過ごし方。 
検尿で蛋白がでているときは運動も制限がかかる。 
術後は体力がないのと、感染しやすいためとにかくコロナ禍不安でいっぱいだった。 

感想と伝えたいこと

感想

結果、今のタイミングでの治療をきめたことがよかった。 
同じサイトのかたで、小さなときにわかったが、治療をしなかったことで現在大変ご苦労されていることなどを知る。 
親が知識と学びをもって動かれたのは大きいと、そのかたの、親御さんは痛いのは可哀想だからというのと、たいしたことを思われなかったそうで、かなり進行が知らないまに進んでしまわれたそうでした。 

伝えたいこと

まずは体調がおかしいと思ったら医師にかかる。 
一人一人進行や、腎臓も病気の型がちがう。とくに小児だと、親が情報を得て学び動くのが大切と感じた。 



  1. 【注釈】背中に針を刺して腎臓の組織を取る検査です。 ↩︎
  2. 【注釈】インフォームドコンセントは難しいものです。微に入り細にわたって説明すると、患者は不安になる場合が少なくありません。ですが、ファジーに話しては、後から、聞いていませんでしたと、訴えられかねないのです。 ↩︎
  3. 【注釈】組織には出来ることに枠があります。難病支援センターは《療養生活の質の維持向上を支援する》ことが業務です。治療方針の相談は医師しか受けられません。不親切ではなく、仕事が違います。 ↩︎
  4. 【注釈】究極の個人情報になりますから、決して話してはくれません。 ↩︎
  5. 【注釈】インフォームド・コンセントの後に治療を受ける側に決めて頂きます。 ↩︎

コメント